大西 宇宙

Takaoki Onishi

 
02大西 宇宙©Simon Pauly.jpg
 

欧米の歌劇場や音楽祭、コンサートホールで活躍を重ね注目を集める若きバリトン。最近の活躍に、セイジ・オザワ松本フェスティバル「エフゲニー・オネーギン」タイトルロール、NHKニューイヤーオペラコンサートへの出演、NHK交響楽団「フィデリオ」などがある。

 アメリカ三大歌劇場の1つにも数えられるシカゴ・リリック・オペラの所属歌手として活躍し、世界初演となるオペラ「Bel Canto」で、アメリカのプロ・デビューを飾った。同オペラでは準主役級の登場人物・神父アルゲダス役を演じ、各新聞社、海外クラシック雑誌から称賛を得た。同公演はPBSにより全米にテレビ放映された。歌劇場のメンバーとして、その後も「ロミオとジュリエット」、「エフゲニー・オネーギン」、「カルメン」など50以上の公演に出演し、また主要キャストのカヴァーなども歴任している。プラシド・ドミンゴ、ルネ・フレミング、フェルッチョ・フルラネット、アレッサンドロ・コルベッリなど多くの伝説的歌手達と舞台を共にした。

 ヨーロッパでは、ウィーン交響楽団、ニュルンベルク交響楽団やミュンヘン放送交響楽団と共演。近年ウィーン楽友協会に於けるベートーヴェン第九ソロでデビューを飾ったほか、アスペン音楽祭やヴェルビエ音楽祭にも出演した。

 武蔵野音楽大学及び大学院卒業。全日本学生音楽コンクール第一位およびイタリア声楽コンコルソ金賞・バリトン特賞を受賞後、IFACジュリアード音楽院声楽オーディションにて満場一致の最優秀賞を受賞し、ニューヨークのジュリアード音楽院の大学院に学ぶ。卒業時には在学中の活躍を讃えられ、多数の賞および特別奨学金を付与され、最優秀の成績で卒業。その他、イタリアのゲオルグ・ショルティ・アカデミー、ドイツのインターナショナル・マイスタージンガー・アカデミーおよびウィーン芸術大学でも研鑽を積んだ。

 ジュリアード音楽院では「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「エフゲニー・オネーギン」など多くのオペラの主要な役で本公演に抜擢されたほか、「マタイ受難曲」イエス役などのオラトリオ、ドイツ歌曲のリーダーアーベントなど様々な演奏会に参加。また在学1年目から、全声楽専攻生による学内コンクールで優勝し、リンカーン・センターの名門ホールでリサイタル・デビューを飾った。

 在学中にカーネギーホールの大ホールでオーケストラと共演しデビュー。ヴォーン・ウィリアムズのオラトリオとカルミナ・ブラーナのバリトン・ソロで公演を成功に導いた。同ホールでは数多くの公演に携わっており、近年シベリウス「クレルヴォ交響曲」で好評を博したほか、2020年にはブラームス「ドイツ・レクイエム」の出演も予定されている。

 ニューヨーク・タイムズやシカゴ・トリビューン、ドイツの音楽誌Opernwelt、またアメリカのクラシック誌Opera Newsにて、出演したオペラが取り上げられ様々な好評を得ている。Opera Newsでは個人特集インタビュー記事も掲載されたほか、「次世代期待のオペラ歌手15人」の1人として紹介された。WQXR.org(英語)。また、ジュリアード在学中の活躍が朝日新聞「ひと」Newsweek日本語版に掲載されている。

 国内の様々なコンクールの他、アメリカ、ニューヨークの主要なコンクール(リチア・アルバネーゼ・プッチーニ国際コンクール、ジュリオ・ガーリ国際コンクール、オペラ・インデックス国際コンクール、ゲルダ・リスナー国際コンクール)の全てにおいて第1位および優勝。最近ではプレミエ財団国際声楽コンクールでは第1位ならびに≪ディミトリ・ホロストフスキー賞≫を授賞し話題になった。またモントリオール国際コンクール、ヴィオッティ国際コンクールのファイナルに進出し、それぞれモントリオール交響楽団、ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団と共演した。

 日本ではNHK交響楽団を初めとし、各地の名オーケストラと共演。プレトニョフ指揮・ロシアナショナル交響楽団来日公演「イオランタ」ではロベルト公爵役を歌い、ロシア人歌手達と並び遜色ない歌唱を披露し話題になったほか、日本各地でのベートーヴェン第9番交響曲、飯森範親指揮「カルミナ・ブラーナ」、広上淳一指揮ブラームス「ドイツ・レクイエム」、高関健指揮「戦争レクイエム」などに出演。2019年のセイジ・オザワ松本フェスティバルでは「エフゲニー・オネーギン」の主役を日本人として初めて務め、サイトウ・キネン・フェスティバルから続く同音楽祭の歴史を塗り替えた。今後も国内外での活躍が期待される。

 イタリア語、ロシア語、英語、ドイツ語、フランス語など多数の言語歌唱に精通し、数多くのレパートリーを持つ。

 これまでに声楽を菊池英美、横山修司、マルチェッラ・レアーレ、ジュリア・フォークナー、故エレーナ・オブラスツォヴァの各氏に師事。レナータ・スコット、マリエッラ・デヴィーア、シェリル・ミルンズ、トーマス・アレン、トーマス・ハンプソン、リチャード・ボニング、ジェイムズ・レヴァインなどのマスタークラスでも歌ったほか、MET歌劇場の様々な歌手、コレペティトゥーア、言語コーチに師事した。

 令和初年度 第30回 五島記念記念文化賞 オペラ新人賞、及び第30回 日本製鉄音楽賞 フレッシュアーティスト賞を受賞。 

出演コンサート

10/13 (水) 18:30- 東京:Bunkamuraオーチャードホール 『華麗なるガラ・コンサート』

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